第20回(20.2.1) パンデミックとキンバリー
橋下弁護士が大阪府の知事になってしまいましたね。くしくも私と同い年ということでお子さんも7人ですか、子育て支援を打ち出しておられるようなので子供が笑う街、大阪の実現に向け是非頑張って頂きたいものです。くれぐれも子供に笑われないように。
さて皆さん、「パンデミック」という言葉をきいたことがありますか?前回は滅菌の話について書きましが、たまたまNHKでそんな番組にも出くわしましたので、また知人に聞かれたこともあり今回も前回の続きのようになってしまいました。このパンデミック、世界的な流行病の時に使われ、ある感染症が世界的に流行することを言うそうです。日本語訳では感染爆発とでもいったところでしょうか。ブログでいうと炎上?祭り?ちと違う?みたいな感じで歴史的にはペストやコレラ、スペイン風邪やSARS等が有名ですが記憶に新しいのはなんといってもH5N1型鳥インフルエンザでしょう。日本の各地でもたくさん鶏が処分され、移動禁止の措置がとられました。因みにまだ何も爆発はしていませんよ。しかし直近では中国で人から人への感染が確認されたとかインドネシアで鳥インフルエンザでの死亡が百人を超えたとかいっていますからもはや対岸の火事ではありません。
これに関しては、
「このウイルスが人に移りやすく突然変異して「新型インフルエンザ」として上陸したら、どうなるのか。日本では64万人が死亡し、経済的にも損害が約20兆円に達すると未曾有の被害が予想されている。一部企業は極秘で対策を進めているが、欧米系企業と比べ、大半はまだ危機管理の意識が薄いようだ。」と産経新聞の記事にありました。
歯科においてもこの感染やら衛生管理やらいった分野は、欧米諸国に比べ、遅れていると言わざるを得ないでしょう。さて1987年、アメリカで「キンバリー事件」というのがありましたがご存知でしょうか。歯医者だけに「金歯リー」ではありませんが、このキンバリー事件、キンバリー・ベルガリスという若い女性の名前から命名されたもので、歯科治療によって、歯科医師からエイズが感染した、と疑われた事件でした。もちろん、潜伏期間などありますので、実際にその診断が出たのは少し後になってからのことですが、当時、アメリカではすでにエイズが「蔓延している」という状況で、既にCDC(米国疾病予防管理センター)の勧告によって医療関係者にはマスクと手袋の着用が普及していました。それにもかかわらず、医療者から患者へ感染した、と疑われる事件が発生したことで大騒ぎになったものです。詳細な調査の結果、女性には、他のルートでHIV(エイズを起こすウイルス)に感染する可能性が無かったということですが、治療を担当した歯科医師が間もなく死亡、その女性もその後死亡するに至り、感染ルートはついに未解明に終わりました。しかし、このキンバリー・ベルガリスという女性の、「医療従事者の検査義務の立法化を」という訴えから、医療従事者に対する「AIDSその他の血液感染源予防対策要項」が新たに厳しくなった、ということでした。それから20年、日本の歯科医院でも確実に感染予防の意識は高くなっています。しかし医院ごとに意識や実践の差があることも事実です。その理由は手間とコストですが、現実問題としてどこまでする必要があるかは線引きが難しいところです。実際、仮に感染者が出たと仮定した場合、歯科医院が感染源だと特定すること自体不可能でしょうし、そうでないと証明することも不可能です。こんな場合はどうなるんでょう?橋下先生と聞きたくなってしまいますが。
鳥インフルエンザの影響で倒産した姫路の浅田エッグのコマーシャルで「衛生管理を徹底した工場」とサンテレビの野球中継の合間に見た記憶がありますが、どの程度やっていたかは別として、この類のものは運悪くおこるときは起こるのではないでしょうか。それを用心してか、この時期白鳥などの渡り鳥が飛来する地域では餌付けを自粛する動きさえ出ているそうです。少し淋しい気持ちにはなりますが起こってからでは遅いわけですからやむを得ませんね。ただ歯科医院での感染はパンデミックではありません。決して防ぎようのないものではなくしっかりと危機管理をすれば未然に防げるものであると思いますので出来る限りしっかりやっていきたいと思っています。最後に付け加えておきますがこのコラムは決して歯科医院での感染不安を煽るものではありませんのであしからず。まだまだ寒うございます。皆さんも「普通」のインフルエンザや「普通」の風邪にもくれぐれもご注意下さい。そうそう、有機リン系の農薬のはいったギョーザにも・・・これはどうしたらいいのでしょう?橋下先生。