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先日矯正の相談を受けました。他院でいわれた治療計画に納得がいかないというか、「ほんまにそうかいな?」的なふうにお見受けしましたので私の見解を述べさせていただきました。私は矯正の専門医でも認定医でもありません。しかし矯正治療をしてはいけないのかといわれるとそういう言うわけでもありません。要はできるかできないか、するかしないかの問題です。矯正でも、インプラントでも、その他の外科処置でもできるのであればやればいいのです。ただわかりもしないでスタートして途中で手におえなくなった、というケースが一番たちが悪いのです。人間のすることですから失敗は付き物ですが、「それはないやろう」的なものに時々でくわします。今回のケースも、もしそのままスタートすれば不幸な結末が待っていたかも知れませんので内心ほっとしています。別に私は自分の診断能力を自慢しているわけではありませんよ。
10人中8人9人の歯医者さんは私と同じように思うであろうレベルのお話です。
医科のほうでは近年、高度な技術を要する手術が増加してきており、それに伴ってか不幸な事故もおきています。というか表に出てくるようになったといったほうが正しいでしょうか。記憶に新しいところでは東京慈恵医大の青戸病院での腹腔鏡手術での医療事故です。経験の浅い医師たちが興味本位でやったオペが失敗し患者さんがなくなったというもので、この医師らは逮捕されました。しかしこんなことは決して珍しいことではないと思われます。もちろん、誰が悪いかというと彼らなのですが、それでは現場の医師たちが新たな技術や知識を習得できるプログラムが用意されているのかというと甚だ疑問です。日々の臨床に忙殺され休息さえ取れずに過労死する医師が年間何人もいることを皆さんはご存知ですか?そんな過酷な環境下で日々頑張っている救急医、産婦人科医、小児科医・・・の皆様には頭の下がる思いです。
話がそれましたが、われわれ歯科医にしても同様のことが言えます。日々の診療におわれそれにも増してくだらない紙だしまで強要され、経営、人事ととめどなくなく押し寄せる仕事の波に疲れ果ててしまい、休日にスタディグループに入って勉強する気力さえ失われていく、というのが現状のような気がしますがカッコ付けすぎでしょうか?私自身が甘いのかもしれませんが、日々精進しなければ駄目なのでしょうね。「お前が何言うとんねん」と石でも投げられそうなのでこの辺にしておきますが、もっと多くの医療従事者がよりスキルアップしやすいようなプログラムを厚生労働省にも考えていただきたいものです。医療費の削減ばかり考えずに。
さて歯科の分野でも矯正、インプラントをはじめとする保険外の自由診療の幅が広がりつつあります。またそれとは別に専門医、認定医なるものがあり、ある一定のキャリアや実績があってその資格が得られます。しかし、歯科医師の資格さえあれば歯科の医療行為に制限はありません。その上で専門医、認定医は、より専門的なトレーニングをつんでいるわけですから、われわれも難症例について問い合わせもしますし、処置の依頼もします。ある程度住み分けもできているわけです。何度も言いますが専門医でなければやってはいけない処置はありません。われわれ一般開業医は自分で手掛けるか、専門医に任せるかの判断を的確に行い、それを遂行すればよいわけです。事故などというものは気をつけていても起こるものです。ただ事前におこる確率は下げておくべきでしょう。もちろん私自身、症例によっては「こんな処置をしてみたい」と思う気持ちもありますが、最近は特に慎重にやっています。専門医や認定医の方々も難しい処置を一朝一夕にできるようになったわけではありません。何事もローマは一日にして成らず、ですね。また認定医、専門医の称号は経歴や学歴も含め長い年月をかけて努力を積み上げて築き上げた結果です。当然それがその先生の肩書きとなり、患者さんから選ばれる材料になっていきます。ですから学歴詐称や経歴詐称などという行為も許されるものではありません。しかし専門医でなくても専門医並みに上手な「無冠の帝王」的先生がおられるのも事実です。以前に書きましたがこれを見分ける方法が無いに等しい状態なのです。いくら制度をつくっても結局最後は接してみなければわからないということなのでしょか。私が毎度毎度患者さん自身もご自分の身体、健康を人任せにせず、普段から気を配るようにして下さい、と申し上げているのはそういう状態がすぐにはなくならないと思うからです。そしてそれが健康への近道、ひいてはいらぬお金も使わなくていい最善の方法なのです。医者を儲けさせたくなかったら健康でいることですよ。
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