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陽気のせいか、格差拡大のせいか最近物騒な事件が多いですね。歯科に関しても技官まで巻き込んだ金銭絡みの事件が情けない限りです。さて今回は患者さんとのやりとりのなかで、保険診療について時々皆さんが勘違いされている、また誤解されている点にスポットを当ててみたいと思います。まず最初は、年配の方に多いケースですが、
Q、保険の治療って駄目なの? A、いいえ。そんなことはありません。
まず最初にお断りさせていただきますが、保険治療が駄目だなどと言うことは全然ありません。駄目なら国民皆保険制度なるものは成り立たなくなります。そもそもこの制度は戦後の日本の復興において貧富の差にかかわらず平等に医療を受けられるようにという理念の下に創設されたようで、世界に誇れる制度だと私も思っています。最近では憲法25条ではありませんが、最低限度のという意味で平等な医療という風に言われることもあるようです。しかしそんなに捨てたものではありません。
むしろ保険治療の問題点は、多くの「縛り」のために使いたい材料、薬剤などが使えないことにあります。30年前に世紀の異種格闘技戦(凡戦?)でアントニオ猪木がモハメド・アリと戦う際に捕まえては駄目、絞め技も駄目、関節技も駄目・・・といわれて試合をしたのと似ているといえば大袈裟でしょうか?それともう一つ、高い保険料に高い自己負担、最近では自治体にいとも簡単に保険証を取り上げられてしまうこの健康保険制度が正常に機能しているかは甚だ疑問です。
さて具体例ですが、例えば3MIXなる抗生剤、これは保険適用として認められていないのですが、深い虫歯でなんとか神経を保存したい時には有効な薬剤です。またその話かい!と言われそうですが・・・。保険の治療においてこの3MIXは原則使ってはいけないのです。ではこれだけ別途に自費請求したらいいのかというとそうでもありません。保険診療で一連の流れから外れた場合、すべてに保険が使えなくなるといった無茶苦茶な(?)ルールがあるのです。上物だけを自費でするというのはよくある話です。根っこの治療完了までは保険適用、土台と上物は自費、これが一般的です。3MIXに関しては、これを使うから本来なら残せない神経を残せるわけですよ、だから○万円!とやらなければ駄目なわけでしょうが、実際そんなことができるでしょうか?それでも診てほしいといってどんどこ患者さんが押し寄せてくるなら医院様ならいいでしょう。まあそれも努力の結果そうなっているわけでしょうから。歯科医院経営も勝てば官軍、格差拡大も自己責任なのでしょうかね。
歯科においてここ数十年、新しい技術には保険点数がついていないという話を聞いたことがありますが、厚生労働省や経済界は医療の効率化と称して自費への誘導さえ推奨しているように思えます。確かにセラミックに金属床のみならず矯正もインプラントも富裕層の贅沢品のような扱われ方ですので、保険治療が駄目なもの的に思われる方がでてくるのも仕方ないのかもしれませんね。実際のところその他にもファイバイーポスト、レーザー、マグフィット(入れ歯の磁石)など良いとわかっていても使えないものが数多く存在します。私自身歯医者の自費はまだまだ高額だと思いますが、制約はあれど十分保険治療で対応できるものだと考えています。だからこそ自費の治療はそれなりの値打ちがあってしかるべしです。ちょうど同じセダンの車でもカローラとベンツが一桁違うのと似ているでしょうか。そういう意味ではこられる患者さんが「いいのでやっても大差ない。」的なことを言われると残念でなりませんし、以前そんな目にあった患者さんは大変お気の毒です。中には自費でしか治療できないというようなことまで言われた方までおられるのには少々驚いています。自転車に乗れない人はバイクには乗れないといいます。逆にプロのレーサーは普段の街乗りの運転の上手なものです。患者さん自身がまず保険で試してみてはどうですか?それが失敗しない近道ですかね。
それではついでですのでもう少し。
Q,前歯は保険がきかないの? A、いいえ、基本的に保険適応です。
何十年前はそうだったかもしれませんが、少なくとも私が歯科医になってからは
ずっと保険適応です。たぶん日本中どこでも。ただしセラミック等は対象外です。
Q、入れ歯は保険がきかないの? A、いいえ、基本的に保険適応です。
これも一部金属床、特殊な装置等は対象外です。
Q、フッ素塗布は保険はきかないの? A、はい、通常はききません、通常は・・・。
健康診断と同じで病気の治療でなければ保険はききません。フッ素は予防措置
ですからね。但し医院によっては金額は色々です。普通は2000〜3000円くらい
はするでしょうか?中にはただみたいな値段のところもありますが。
六月は虫歯予防デーもあります。よりいっそうお口の健康に気をつけてください。 |